第19回 ちょこのマジで怖い話やで。
怖い話のPart2です。
お嫌いな方は、Uターンして下さい。
‘お経の部屋’の中での出来事です。
怖い話お好きな方は、Part1の《お経》を読んでから読み進めて下さい。
《真夏にストーブ》
仕事の都合で、大阪から地方へ出稼ぎに来ていた時、入寮していました。
ちょこに与えられた部屋は、‘お経の部屋’と言って、毎夜11時になると線香の香りがした後、女性の声でお経が聞こえてくる部屋でした。
ちょこのママ、かにこさんに言われたとおり、夜は早めに寝る事にしていました。
盆休みが終わってもまだまだ熱帯夜が続いていた、ある夜の出来事です。
突然、身体中が寒くて寒くて起きてしまったのです。
まだ8月です。
布団も夏布団1枚しか用意してませんでした。
毛布もありません。
持ってる服も夏服です。
入寮した日から気になっていたのですが、押入れに電気ストーブが1台置いてあったのを思い出したのです。
それを押入れから引っ張り出して、部屋を温める事にしました。
6畳一部屋ですが、温まらないまま朝になり、結局仕事を休む事にしました。
「風邪引いたかもしれへん」
そう言って、休みました。
夕方、仕事が終わった先輩が見舞いに来てくれました。
「風邪引いたんやって?」
夜中に突然寒気がして眠れなかった事を訴えました。
体温計も持ってませんでしたから、熱があるのか無いのかもわかりません。
先輩から体温計を借りて熱を測りましたが、熱は無かったように思います。
ちょこが先輩に、
「ちょこの部屋暑くないですか?」
と、聞くと、
「イヤ、別に」
と言いました。
「昨夜からストーブ800Wで部屋温めてるねんけど…全然温まらんねん」
先輩、ビックリしてました。
ちょこがあまりにも「寒い寒い」とボヤいたので、毛布やらもう一台ストーブを持って来てくれました。
ついでに、温かいうどんも作ってもらった記憶があります。
優しい先輩です。
翌日は、優しい先輩のお陰で元気になって仕事に復帰する事が出来ました。
《イビキをかく女》
ある夜の事です。
大きなイビキで目を覚ましました。
ふと見ると、ちょこの横で女の人が寝ていました。
『又、誰か寝に来てるんやなぁ〜』
と思って、もう一度寝ました。
ちょこは鍵を閉めないので、後輩が夜中に酔っ払って部屋に寝に来る事があったからです。
鍵を閉めないのは、幽霊が出た時、ソッコー部屋から飛び出す為です。
後輩を部屋に呼んで寝てもらうのは、幽霊が怖いからです。
翌朝、目を覚ますと、誰もいません。
『へ? 昨夜の女の人はどこに行ったの?』
先輩やら後輩に尋ねても「知らぬ」「存ぜぬ」との事。
1人の後輩が、
「ちょこちゃん、昨夜は部屋の鍵閉めて寝たはず」
と、言ってきました。
そうなのです!
一昨日の晩、夜中の2時頃に酔っ払った後輩が寝に来たので、ワチャワチャして寝不足だったので、『よし! 今日は部屋の鍵閉めて寝よう!』という事になり鍵を閉めて寝たのでした!
じゃあ、あの女の人は誰?
大騒ぎするちょこに後輩が、
「ちょこちゃん、部屋の真ん中で寝たらどうですか?」
ってアドバイスしてくれました。
「はへ?」
ちょこ、子供の頃から部屋の隅にいることが多くて、テレビ見る時も隅っこ。
この時も部屋の隅っこに布団を敷いて寝ていました。
後輩は、ずっと気になっていたらしいです。
もっと早く言ってよね〜。
部屋の真ん中に布団を敷いて寝るようになってから、何故か後輩も泊まりに来なくなりました。
多分この頃からちょこの部屋が『普通じゃない』という噂が立ち始めていたからだと思います。
《油絵》
あまりにもヘンチョコリンな出来事が続くので、何か原因があるのではないかと色々考えた結果、部屋の模様替えをしようと思いました。
とりあえず、部屋の壁に飾ってある絵を捨てる事にしました。
その絵は、額縁に入った賞状位の大きさの油絵でした。
絵は、海にヨット⛵️が浮かんでいる何も怖くない絵です。
寮長に、
「部屋の模様替えしたいので、絵を捨てても良いですか?」
と尋ねると、
「好きにして良いよ」
との事。
ちょこは、早速粗大ゴミの日の朝、捨てに行きました。
捨てたその日、仕事から帰って来るとちょこの部屋の壁にその絵が元通りに飾ってありました。
ビックリして、後輩やら先輩に、
「あの絵、勝手に戻さんといて!」
「イタズラせんといて!」
と怒鳴りました。
前にも書いたように、ちょこの部屋の出入りは自由なのです。
イヤイヤ、仕事中は流石のちょこも鍵閉めますよ❗️
後輩も先輩も勿論、「知らぬ」「存ぜぬ」と言いました。
次の日、粗大ゴミの日ではなかったけれど、絵をもう一度捨てに行きました。
丸々1ヶ月、その絵はゴミ捨て場に置いてありました。
その間、何か不吉な出来事が起こるのではないかと思いましたが、何も無く過ぎました。
《お経の部屋》
後日知ったお話。
ちょこ達の寮は、昔大手の会社の社宅でした。
寮の入口に、皆さんがよく知っている会社の名前の書いた看板が残っていました。
(現在この寮がどのような姿になっているか不明ですが、今でも行く事ができるくらい場所はハッキリ覚えています)
社宅だった頃、ちょこの部屋に若夫婦が住んでいたそうです。
旦那さんの方が浮気して、愛人がその部屋で自殺したとかしなかったとか…(そこらへんは曖昧です)
愛人が死んだのは本当らしくて、死後、旦那さんに会いに来るらしいです。
『コンコン』
窓をノックする音がするので、窓を開けると誰もいなかったりしたそうです。
寮の外で女の人が男の人の名前を呼ぶ声が聞こえたという噂もあります。
《ベッド》
折りたたみ式のベッドに寝ていた頃の話。
夜寝ていると、ベッドの下から『コンコン』ノックする音が聞こえました。
最初は、寝返りした時のベッドが軋む音とか枕のソバガラの音かなぁ〜と思っていました。
2度目の時、しっかりと耳元で『コンコン』聞こえました。
ベッドの下は、少し空間が空いていたので、衣装ケースをギッシリ置いていました。
勿論、人が入れる余裕なんてありません。
階下の住人が天井でも叩いてるのかと思ったのですが、どうも違うような気がしました。
3回目に『コンコン』した時は、階下は空き部屋でした。
ベッドの下から知らない顔が覗いたり、突然手が伸びて来たら怖いなぁ〜と思って、その後、夜は電気をつけたまま寝るようになりました。
(ちょこ、今でも寝る時は、明るくないと寝られないのです)
畳の部屋で寝るようになってからベッドを移動させたのですが、ベッドの裏側に複数の掌の油汚れ(みたいなもの)がベタベタ付いてました。
そのベッド、その後かにこさんがしばらく使ってました。
《勉強椅子》
ちょこの兄かしわくんが、高校受験の勉強中の頃です。
ちょこと妹のたばこちゃんは、まだまだ小学生でかしわくんの部屋の隣の部屋で寝ていました。
翌朝、ママのかにこさんがかしわくんに、
「夜中、勉強椅子がギーギーうるさくて寝られへんから、椅子変えて勉強して」
と、言いました。
かしわくんが、首を傾げて、
「昨夜は疲れて、勉強せずに寝たよ」
と言いました。
かしわくんは、兄弟の中でもとても真面目で、嘘を言ったり冗談言ったりしない性格です。
隣の部屋で寝ているちょこが聞こえてないのだから、かにこさん寝ぼけたのではないかとパパからも笑われてました。
かにこさんは、
「寝ぼけてないわ!」
と、プリプリ怒ってました。
ところが、たばこちゃんがちょこに小声で、
「昨夜、確かにギーギー椅子うるさかってん」
と言ってきました。
「へ?」
ちょこはビックリしましたが、たばこちゃんと同じ部屋で寝ていたちょこは聞いてません。
グッスリ寝てしまっていたので、気づかなかっただけかもしれませんが、ちょこの寝る場所はかしわくんの勉強机の真横です。
「でもさ、かしわくんの部屋の中、真っ暗やってん」
たばこちゃん、起きてかしわくんの部屋の中覗いたそうです。
真夜中、椅子だけがギーギー音をさせていたそうです。
ちょこ、今その部屋で寝ています。
ではまたね。
《追記その1》
ちょこが寝ているこの部屋、子供の頃から不思議な部屋でした。
次回は、お盆の頃にでもお話しましょうか?
怖い話はまだまだありますよ。
《追記その2》
サッカー⚽️のワールドカップ、フランス🇫🇷優勝
おめでとう🎉🎉🎉ございます。
ワールドカップでは負けた国ばかり応援していた後輩君。
面白かったので、次回は高校野球で勝負しようと思います。