tuon2366chocoのブログ

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第80回 ちょこのちょっと不思議な話。

【記憶喪失の女】

 

職場にちょっと不思議な女性がいます。

 

30代の独身女性で、風船のように痩せたり太ったりするので、オモチ。

 

そのオモチ、2年程前急に、

「仕事変わりたい」

と、言いだしました。

 

人間関係のもつれかと思ったのですが、給料面で不満があったようでした。

 

「新しい職場はどういう所がいいの?」

と尋ねると、

「対面販売がしたい。

一番理想は、ケーキ屋さん」

とのこと。

 

オモチは美人さんなので、それも悪くないと思っていましたが、もちろん口には出しません。

 

ある日、仕事で遠出をした時、某スーパーで休憩していましたら、目の前でたこ焼きの美味しい匂いが漂ってきました。

 

その場にいた職場の人達は、

「食べたい食べたい」

と言うので、太っ腹なちょこちゃん、並んで買ってあげました。

 

すると、たこ焼き屋の販売員募集の張り紙が見えました。

 

その場にいた職場の人達(ちょこも含めて)がオモチに、

「たこ焼きの販売員なら、対面販売やで」

と、面接だけでもお願いしたら?と煽ったのです。

 

時給もたこ焼き屋のくせに高給なのです。

並んでわかったのですが、たい焼き、クレープもやってるお店でした。

 

オモチも、その時はその気になって、家族に相談すると言いだしたのです。

 

帰りの車の中で、落ち着いて考えたのでしょう、ちょこに、

「今のスーパー、家から遠いから別の所探すわ」

ちょこも、賛同しました。

 

翌日、オモチがちょこに、

「昨日のたこ焼き屋さん、家から遠いから別の所探す事にするわ」

と、前日と同じ事わざわざ言いに来たのです。

ちょこは、

「わかった」

とだけ言いました。

 

しばらくしてちょこ、社長にお叱りを受けました。

 

「ちょこちゃん、オモチに転職勧めてるらしいやんか。

今、オモチ新しい職場探してるって聞いたで」

 

オモチ、たこ焼き屋の件以降、新しい仕事場を探してケーキ屋の面接を受けたそうです。

結果は不合格。

落ち込んで、職場放棄していると、家族から連絡が入ったらしいのです。

 

ちょこ、たこ焼き屋の時は煽ってみたけど、ケーキ屋の面接の件は知りませんでした。

 

ケーキ屋の面接に行く前に誰かに相談したらしいのですが、その相手がちょこだったそうです。

 

ここではっきり言いますが、ちょこ、一切相談されてませんから!!

 

 

職場にはオモチと同年代の女性が沢山いたので、仲の良い女友達(カイガ)がいました。

 

オモチは、子供の頃絵画教室に通っていたようで、今でも絵が大好き。

 

ちょこも何枚か絵を見せてもらいました。

確かにちょこよりお上手です。

 

カイガも絵が好きということで仲良くなったようです。

 

カイガは、油絵を描く本格派。

プロ並み。

もちろん、見せてもらったのですが、オモチの絵と比べると、素人と玄人。

 

ある日、カイガがちょこに、

「今度、オモチと一緒に美術館に絵を見に行くんだけど、一緒に行かない?」

と、誘ってきました。

 

理由を聞くと、

「オモチと一緒に行きたくない。

でも、絵は見たい」

とのこと。

 

その日はちょこ、用事があったので行けませんと、丁寧にお断りしました。

 

結局、職場のランラン先輩を誘って3人で行ったようです。

 

オモチとカイガは、仲の良いお友達だと思っていましたので驚きました。

 

そのカイガが、仕事を辞めたのは昨年でした。

 

オモチは、カイガが辞めてからかなり落ち込んでいました。

 

カイガと仲の良かった後輩(ハッパ)が、

「カイガさんが会社辞めた本当の理由知ってますか?」

と、ちょこに尋ねてきました。

 

「家の都合って聞いてるよ」

と答えると、

「それも少しあるけど、本当はオモチさんとの関係に疲れてたみたいです。

先日会った時、色々話してくれました」

 

オモチとカイガは、お互いの家に遊びに行く程の仲良しさんで、毎日電話やラインをしていたそうです。

「毎日、職場の人の悪口を延々に聞かされてたらしいですよ」

 

 

例の美術館に行った日の事でした。

 

その日は、オモチとカイガとランラン先輩の3人の他に、カイガの美術大学時代の教授(男性)とも待ち合わせていました。

 

普段から遅刻の多いオモチでしたので、カイガは念押しで時間厳守をお願いしていたのですが、案の定遅れてきました。

 

教授を1時間以上待たせることになりました。

 

美術館を一通り見終わった後、教授含めて4人で喫茶店に入りました。

 

教授は、この頃小学生以下の子供達の絵画教室を開いていました。

 

カイガは、

「今後も絵を続けるつもりなら、人に絵を教えるのも上達の一つ。

今度、教室に遊びに来ないか?」

と、教授に誘われました。

突然のお誘いに躊躇していると、オモチが、

「子供なら私にも教えることができるわ。

私も一緒にいいですか?」

と自分をアピールするのに必死。

 

教授は、オモチに、

「一度絵を見せてほしい」

と言うと、オモチはケータイに入ってる自分の鉛筆画を見せようとしました。

教授は、

「今度きちんとした物を見せて下さい」

と優しく制しました。

 

この日の出来事があって、カイガはオモチとの付き合いを断ち切るために、会社を辞めたようです。

 

ハッパからちょこに質問がありました。

「オモチの絵って、大学の教授に評価してもらえるようなモノなんですか?」

 

ちょこ、絵のことはよくわからないけど、

「たしかにオモチの絵は上手やで。

けど、鉛筆画(デッサン)しか見たことないねん。

カイガは、大学時代に海外で賞も取ってる。

カイガとオモチの絵は、レベルが違いすぎると思うで」

と言うと、なぜかハッパは大きく頷いてました。

 

 

カイガが辞めた後、職場での友達探しを始めたオモチは、ハッパとも仲良く話をするようになりました。

 

ある日、ハッパが買ったカーディガンがダボダボに大きすぎて、ちょこにあげると言うのです。

ちょこは、ハッパより体が大きいのですが、ニット類は着ないのです。

「ニットなら、ランラン先輩の方が似合うと思うわ」

と、ちょこの横にいた先輩に振りました。

先輩も、

「いただけるならなんでもいただくよ」

との事。

 

その話を聞いていたオモチが、ハッパに、

「そのカーディガン見せてほしい」

と言ってきたのです。

 

ランラン先輩は、自分よりオモチの方が上手に着こなすんじゃないかと言いながら、ハッパに、

「オモチに貰ってもらってよ」

と言いました。

ハッパも、

「じゃそうする」

と、ここで、このカーディガンの話は終わった筈でした。

 

しばらくして、オモチがちょこに、謝りに来ました。

 

「ちょこちゃんのカーディガン、私には大き過ぎるし、色も変やったから捨ててん」

 

捨てた?

ちょこのカーディガンを?

 

「私が着なかったら、ランラン先輩に渡してって言ってたけど、こんなん先輩にも似合わないわと思って、ゴミ袋に入れて部屋に置いてたら親が勝手に捨てたんよ」

 

へ?

粗大ゴミ?

ランラン先輩?

 

あ、ハッパのカーディガン、、、

 

「オモチ、それはちょこのカーディガンじゃないよ。

ハッパのカーディガンやで。

勝手に捨てたんか?」

 

とは、なんだか怖くて言えませんでした。

 

オモチ、更にこんな事言ったのです。

 

「ランラン先輩にも悪いと思って、私の帽子渡しといたから」

 

ランラン先輩に確認すると、

「前に、オモチから帽子貰った事あるよ。

ずっと前の話やで」

 

オモチ、頭大丈夫か?

 

 

以前、職場の女子だけで遊びに行った事がありました。

 

車の中はギューギュー。

 

帰りの車の中は、皆疲れ切っていました。

 

誰かが会社の話を始めたのです。

会社の不平不満から社長の悪口大会になってしまいました。

 

同乗のちょこは、ウトウトしていて、全く会話には入らかったのですが、その夜社長から電話がありました。

 

「ちょこちゃん、何があったんや?」

 

何があったんですか?

ちょこの方が知りたいです。

 

「帰りの車の中で会社の悪口大会になって、しんどかったって、たった今オモチから電話があったぞ」

 

え?

知りません。

すみません。

 

翌日、再び社長に呼び出されました。

 

「今な、カイガから昨日の帰りの車の中で、オモチが俺の悪口延々に言うてたって聞かされてんけど。

どういうことやねん。

どっちがホンマやねん」

 

ごめんなさい🙏社長。

ちょこ、本当に知らないんです。

 

その翌日、ちょこはオモチに呼び出されました。

 

「私、先日遊びに行った時、皆んなが社長の悪口言い出したやろ?

気になって、夜社長に電話したのよ。

社長には、皆んながこんな事言うてたよって全部報告しといたから」

 

皆んなって誰?

ちょこも含まれるの?

怖い怖い。

 

 

 

本人、全く自覚がない様子で、

「社長と私は兄弟みたいで、何でも言える関係」

とか言って甘えています。

 

社長も男ですから、美人に甘えられると弱いみたいですね。

 

ようわからん関係が続いています。

 

 

そんなオモチ、最近また会社を辞めたいそうです。

 

もう、辞めたらええねん。

マジ、辞めてくれ❗️

 

言うとくけどな、今回はちょこ相談されてないからな❗️

 

 

 

 

 

本日のBGM

 

 

GUMI『ドーナツホール』🍩

 

ボカロ曲。

米津玄師作詞作曲。